韓国発のウィメンズブランド「コイセイオ」が手がけるベーシックライン「コイセイオ038」は、2026年7月10日、東京・表参道で日本初となる単独ショップをオープンします。出店場所は東急プラザ表参道「オモカド」内のTHE HYUNDAI STOREで、韓国国内の店舗と同じ内装コンセプトとフルコレクションが日本に持ち込まれる予定です。コイセイオというブランド自体は2025年9月にすでに日本進出を果たしていますが、038という単独ラインの実店舗は国内になく、今回が待望の初出店となります。原宿・表参道エリアでは近年、韓国発の百貨店やブランドの出店が相次いでおり、この一件もその流れの中にある出来事です。以下では店舗の詳細から、コイセイオというブランドの背景、そして出店先であるTHE HYUNDAI STOREをめぐる事情までを順に整理します。

コイセイオ038表参道店は7月10日オープン、特典はミントカラーのトートバッグ
コイセイオ038の表参道店は、東急プラザ表参道「オモカド」内に構えるTHE HYUNDAI STOREの中に入居する形でオープンします。営業開始日は2026年7月10日です。取り扱う商品は韓国国内の店舗と同様にブランドのフルコレクションで、日本向けに縮小した品揃えではありません。
038というラインは、ブランド本来の感性を保ちながら、日常のさまざまな場面で使いやすいベーシックアイテムを軸に展開しています。抑制のきいたシルエットと精緻なフィット感、細部のディテールワークを積み重ね、トレンドではなく長く使える価値を持ったアイテム作りに主眼を置いているそうです。
オープンを記念した購入特典も用意されています。税込2万円以上購入した顧客には、人気アイテム「038 DUAL COLOR TOTE BAG」のミントカラーが先着で配布されます。このトートバッグはもともと通常販売されている定番品で、それが特典として先着でもらえるとなれば、オープン当日から行列ができても不思議ではありません。実際、後述する渋谷PARCO店のオープン時にも100人を超える行列ができており、コイセイオという名前が持つ集客力の高さがうかがえます。
こうしたノベルティ配布は、単なる販促にとどまりません。来店客が受け取ったトートバッグや店内の様子をSNSに投稿すること自体が、ブランドにとって広告になるからです。ミントカラーという写真映えする色を選んだあたりにも、話題化を見込んだ計算が感じられます。
表参道の新店は韓国本国に次ぐ4店舗目、パープル基調の内装が特徴
コイセイオ038の表参道店は、単独店舗としては4店舗目にあたります。すでに韓国国内では、弘大のフラッグシップストア「COYSEIO HOUSE」、ハナム・スターフィールド店、龍山アイパークモール店の3店舗が展開されており、表参道店はそれに続く出店です。
| 店舗名 | 所在地 | 位置づけ |
|---|---|---|
| COYSEIO HOUSE | 韓国・弘大 | フラッグシップストア |
| ハナム・スターフィールド店 | 韓国・河南 | 単独店舗 |
| 龍山アイパークモール店 | 韓国・龍山 | 単独店舗 |
| 表参道オモカド店 | 日本・東京 | 日本初の単独店舗 |
内装は、コイセイオ038のシグネチャーカラーであるパープルを基調とし、スチール素材とナチュラルウッドを組み合わせています。無機質さと温かみのバランスを取った空間に、ヴィンテージ調のフラワーパターン壁紙をアクセントとして採用しており、ベーシックラインでありながら遊び心を感じさせる仕上がりになっているとのことです。韓国国内で積み上げてきた店舗運営のノウハウと世界観を、そのまま日本の顧客に届けようという意図が見えます。
ディレクターはソ・ジス、NewJeansとIVEの着用で世界的な人気に
コイセイオを率いるのは、モデルのソ・ジス(Seo Jisoo)です。ブランド名の由来は、「控えめで上品」を意味する英語のCoyと、「波」を意味するラテン語のSeioを組み合わせた造語で、静かに、しかし確かに広がっていく波のようなブランドでありたいという思いが込められているそうです。
ブランドの出発点は2022年にさかのぼります。当初は「スマートアーバンユースフル」という名称でスタートし、2024年春夏コレクションを機に「コイセイオ」へと名称を変更してリブランディングされました。スポーティーなスタイルをベースに、キュートで女性らしいディテールを組み合わせたデザインが特徴で、天使の羽をモチーフにしたバッグやピアスなど、写真映えするアイテムも展開しています。
世界的な知名度が一気に高まったきっかけは、人気ガールズグループ「NewJeans」のメンバーがステージ衣装やプライベートでブランドのアイテムを着用したことでした。特に空港での私服スタイリングでの着用が話題となり、リブランディング直後から瞬く間にファンを獲得しています。「IVE」のメンバーが着用したことも重なり、SNSを中心に知名度が広がりました。K-POPアイドルの着用が認知度向上に直結するのは韓国発ブランドに共通するパターンですが、コイセイオもその王道を歩んで人気を得たブランドのひとつと言えます。
ファッション通販サイト「GLADD」が発表した「2026年の韓国ブランド35選」では、コイセイオは18位にランクインしました。価格帯は2万337円からで、決して安価な位置づけではありませんが、それでも人気の高さがランキングの数字から見て取れます。
コイセイオはアパレルだけでなく、香水・フレグランス展開にも力を入れています。「pomponné 038」という香水シリーズは、レモンとベルガモットの爽やかな香りに、アンバーとムスクの余韻を重ねた香調で人気を集めており、ハンドクリームや練り香水といった派生アイテムも展開されています。今回話題になっている「038」という数字は、アパレルの新ラインだけでなく、この香水シリーズなど、ブランドの中でひとつの独立した世界観を示すコードとしての意味合いも持っているようです。フレグランスの分野ですでに支持を得ていた038というコードが、今回アパレルの単独ショップという形で実店舗に降り立ったことになります。
日本上陸は2025年9月の渋谷PARCOが先、038単独店は約10か月越しの一手
今回のニュースを正しく理解するうえで押さえておきたいのは、コイセイオという「ブランド本体」はすでに日本に進出済みだという点です。
コイセイオの日本における正規1号店は、2025年9月19日に渋谷PARCOの4階でオープンしました。営業時間は月から日の11時から21時で、オープン当初の9月19日から21日までの3日間は、同一商品につき1点まで、1人あたりの合計購入点数は最大10点までという購入制限が設けられるほどの人気ぶりだったそうです。オープン当日には100人を超えるファンが開店前から列をなしたと伝えられています。渋谷PARCOはこのタイミングで館内の大規模リニューアルを進めており、コムデギャルソンの新業態「tao」の単独直営店や、フランス発シューズブランド「カンペール」の日本初コンセプトストアなど、4階だけで12店舗が新規オープンする大型施策の一環でもありました。
つまり2026年7月にオープンする「コイセイオ038」の単独ショップは、コイセイオというブランド自体の日本初出店ではなく、ベーシックライン「038」単体としての、日本における初めての単独ショップという位置づけになります。ブランド本体はすでに渋谷PARCOという若者文化の発信地でファンとの接点を築いており、その約10か月後、より落ち着いたベーシックラインを引っさげて、今度は原宿・表参道という新たな立地に進出する形です。
コイセイオはアパレル単体にとどまらず、話題作りにも積極的です。2025年12月24日には、1972年にアメリカで生まれ、1990年代に日本のタカラ(現タカラトミー)によって復刻されたファッションドール「ブライス(BLYTHE)」との初となるコラボレーションアイテムを発売しました。「Between Us」というテーマのもと、ジップフーディーや長袖Tシャツ、ブラウス、ワンピース、Tシャツ、スカート、パンツに加え、ビーニーやキャップ、バックパック、ミニポーチ、靴下まで含む全13型を展開し、価格帯は3,300円から24,200円でした。キャンペーンビジュアルにはディレクターのソ・ジス本人が登場し、ブライスの世界観とコイセイオの美意識を重ねた内容になっています。このコラボレーションはコイセイオ公式オンラインストアおよび渋谷PARCO店で販売され、日本上陸からわずか3か月というタイミングでの展開でした。
こう見ると、2026年7月の表参道単独ショップは単発の出来事ではなく、2025年9月の渋谷PARCO出店、同年12月のブライスとのコラボレーションと続いてきた、日本市場での積み重ねの延長線上にあると理解できます。
出店先はTHE HYUNDAI STORE、韓国百貨店の日本進出プロジェクトの一環
今回の出店のもうひとつの背景が、出店先である「THE HYUNDAI STORE」です。
THE HYUNDAIは、韓国を代表する百貨店グループである現代(ヒュンダイ)百貨店グループが手がける日本進出プロジェクト「THE HYUNDAI GLOBAL」の一環として、日本市場に参入している業態です。すでに2025年9月には渋谷PARCOに旗艦的な店舗を先行して展開しており、今回の東急プラザ表参道「オモカド」への出店は、それに続く常設店舗という位置づけになります。原宿の東急プラザ表参道「オモカド」3階には「THE HYUNDAI」の常設店舗がオープンする予定で、全9区画という構成の中で、ファッション、雑貨、IP関連グッズ、カフェなど、多彩なカテゴリーの店舗を展開する計画が発表されています。ソウルにある本店「THE HYUNDAI SEOUL」の地下2階に見られるような、キュレーションとコンテンツ性を軸にした空間企画を日本にも取り入れることで、物販にとどまらないショッピング体験を目指しているとのことです。
この日本展開プロジェクトの日本側パートナーとしては、韓国発のファッションECプラットフォーム「nugu(ヌグ)」が企画運営に参画しています。韓国発のプラットフォーム企業が日本国内でのオペレーションを支えることで、韓国発ブランドが日本市場に入り込みやすい体制が整えられていると考えられます。
オモカドは表参道の複合施設、おもはらの森と天空のスタバも隣接
コイセイオ038が単独ショップを構える東急プラザ表参道「オモカド」自体も、原宿・表参道エリアを代表する商業施設のひとつです。オモカドは神宮前交差点の一角に建ち、地下1階から地上7階建ての館内には20以上の店舗が入居しています。表参道と明治通りが交わる立地に建つ建物は、巨大な万華鏡のようなステンレスパネルによる外観が特徴で、訪れる人の目を引く導線としての役割も果たしています。
館内のテナント構成は、原宿・表参道エリアらしく、流行をリードするファッションブランドや感度の高いライフスタイルブランド、話題のカフェが並んでいます。中でも6階のテラス部分に広がる「おもはらの森」は、都会の真ん中で空と緑を同時に楽しめる屋上庭園で、ケヤキやイロハモミジ、シラカシ、クスノキといった日本在来の樹木が植えられています。晴れた日には鳥のさえずりを聞きながら過ごせる、都心では貴重な空間です。この庭園に隣接する形で、通称「天空のスタバ」と呼ばれるスターバックス コーヒー 東急プラザ表参道「オモカド」店があり、緑を眺めながらコーヒーを楽しめる場所としても人気を集めています。
ファッションだけでなく自然や休憩スペースまで含めた回遊性の高い商業施設に、韓国百貨店THE HYUNDAIという新しい区画が加わり、そこにコイセイオ038という話題のブランドが入居する形です。買い物のついでに屋上庭園やカフェで一息つき、また新しい店舗を回るというオモカドならではの回遊体験の中に、コイセイオ038というピースが加わることになります。
韓国ブランドの日本出店ラッシュは加速中、XEXYMIXは3時間で110万円を売り上げ
今回の出店は単体のニュースにとどまらず、韓国の百貨店が日本の商業施設に出店し、韓国発ブランドを日本市場に誘致する、より大きな流れの中に位置づけて理解する必要があります。
近年、韓国ドラマやK-POP、韓国発のYouTubeコンテンツが日本国内で盛んに消費されるようになったことを背景に、韓国ファッションへの露出そのものが増えています。SNS上でK-ファッション関連のコンテンツが拡散されることで、実際に店舗やECサイトで韓国ブランドの商品を探す消費者層が増えているのが現状です。こうした需要の高まりを受けて、韓国発ブランドは単独でのポップアップストア出店にとどまらず、韓国の百貨店グループ自体が日本の商業施設に進出し、複数の韓国ブランドをまとめて誘致するという大掛かりな展開を見せ始めています。
今回のTHE HYUNDAIによるオモカドへの出店はその代表例で、他にもアクセサリーブランド「athe(アッテ)アクセサリー」が大阪の阪急百貨店うめだ本店でポップアップストアを展開したり、アスレジャーブランド「XEXYMIX(ゼクシィミックス)」が表参道ヒルズに日本での5号店をオープンさせたりするなど、さまざまな韓国発ブランドが日本の主要商業施設への出店を進めています。
XEXYMIXの事例は、韓国発ブランドの日本国内での勢いを示す数字としても興味深いものです。表参道ヒルズ本館B2Fにオープンした同店は、開店当日から入店待ちの行列ができ、開店からわずか3時間で売上が1000万ウォン、日本円にして約110万円を突破しました。館内の入居店舗の中でも上位の実績だったといいます。さらに表参道ヒルズ店限定で発売した「春限定ブラックラベル シグネチャー360N」は、発売からわずか3日で完売しました。同ブランドはこの5号店開設に続き、2026年中にさらに東京と大阪で2店舗を新規オープンさせる計画も明らかにしています。
| ブランド | 出店先 | 実績・特徴 |
|---|---|---|
| コイセイオ038 | 表参道オモカド(THE HYUNDAI STORE) | 2026年7月10日、日本初の単独店舗 |
| XEXYMIX | 表参道ヒルズ | 開店3時間で約110万円を売り上げ |
| athe アクセサリー | 阪急百貨店うめだ本店 | ポップアップストアを展開 |
こうした事例からも、韓国発ブランドの日本進出は一過性のブームというより、売上実績に裏打ちされた市場開拓の段階に入っていることがわかります。コイセイオ038の今回の出店も、こうした一連の流れの中の一事例として捉えられます。
原宿・表参道の店舗地図は韓国発ブランドで塗り替わりつつある
改めて整理すると、韓国発ウィメンズブランド「コイセイオ」のベーシックライン「コイセイオ038」が、2026年7月10日、東急プラザ表参道「オモカド」内のTHE HYUNDAI STOREに、日本初となる単独ショップをオープンします。韓国国内の弘大フラッグシップ「COYSEIO HOUSE」、ハナム・スターフィールド、龍山アイパークモールに続く4店舗目の単独店舗で、パープルを基調にスチールとナチュラルウッド、ヴィンテージ調のフラワーパターン壁紙を組み合わせた店舗デザインが採用されています。ブランドのフルコレクションが展開されるほか、2万円以上購入者には人気の「038 DUAL COLOR TOTE BAG」のミントカラーが先着で配布される特典も用意されています。
コイセイオ自体は、モデルのソ・ジスが手がけ、2022年の始動から2024年のリブランディングを経て、NewJeansやIVEといった人気K-POPアイドルの着用をきっかけに世界的な注目を集めてきました。日本では2025年9月に渋谷PARCOで正規1号店をオープンし、同年12月にはファッションドール「ブライス」とのコラボレーションを実施するなど、着実に国内での存在感を強めてきています。今回の038単独ショップの出店は、そうした積み重ねの先にある一手だと位置づけられます。
出店先であるTHE HYUNDAIは、韓国最大級の百貨店グループが手がける日本進出プロジェクト「THE HYUNDAI GLOBAL」の一環で、韓国発ファッションECプラットフォーム「nugu」が企画運営に加わることで、より本格的な常設展開が図られています。原宿・表参道という若者文化の発信地に韓国発の複合商業施設が根を張ることで、今後もエリア内の店舗構成やトレンドに影響を与えていくと見られます。
一連の動きは、韓国ドラマやK-POPを起点とした韓国カルチャー人気の高まりが、実店舗という形で日本の街に浸透しつつあることを示しています。オープン日である2026年7月10日以降、実際にどのような客層が訪れ、どのアイテムが人気を集めるのか、現地の反響も気になるところです。ファッションに関心のある読者はもちろん、商業施設やインバウンド消費、日韓カルチャーの結びつきに関心のある読者にとっても、コイセイオ038の表参道進出は多角的な視点から読み解ける話題と言えるでしょう。









コメント