GU歴代デザイナー一覧|高橋盾からフランチェスコ・リッソまで就任時期まとめ

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GU歴代デザイナー一覧|高橋盾からフランチェスコ・リッソまで就任時期まとめ

GUの歴代デザイナーを一覧でたどると、単一の後継者が続くのではなく、複数のクリエイターが時期ごとに並走してきた歴史が見えてきます。ユニクロと並ぶファーストリテイリングの主力ブランドであるGUは、長らく専属のクリエイティブディレクターを置かず、社内デザインチームを軸にしながら外部のデザイナーとの期間限定コラボレーションを重ねてきました。そして2026年、この体制はブランド史上初めての転換を迎えます。マルニで9年間クリエイティブディレクターを務めたフランチェスコ・リッソ氏がGUに就任したのです。この記事では、GUというブランドの成り立ちから、コラボレーションを支えてきたデザイナーたちの経歴、そしてリッソ氏就任の経緯までを時系列で整理します。

GU歴代デザイナー一覧|高橋盾からフランチェスコ・リッソまで就任時期まとめ
目次

GUは2006年にダイエーとの協業で生まれたブランド

GUは2006年、ファーストリテイリングとダイエーの協業によって誕生した業態です。同年10月、ダイエー南行徳店内に1号店を構えたのが始まりでした。ユニクロで培った生産や販売のノウハウを活かしながら、より手に取りやすい価格帯のカジュアルウェアを提供するという狙いでスタートしています。

ブランド名の「GU」は、自由を意味する言葉のアルファベット表記に由来するとされています。ブランドメッセージには「YOUR FREEDOM 自分を新しくする自由を。」が掲げられ、既存のファッションの枠にとらわれない着こなしを提案し続けてきました。ロゴデザインを手掛けたのは、ユニクロのロゴも担当したクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏です。ユニクロを堅実な兄に例えるなら、GUはスタイルがあってちょっとやんちゃな妹というイメージで作られています。

経営面では、2011年9月に柚木治氏がGU社長に就任しました。柚木氏は1988年に一橋大学経済学部を卒業し、ファーストリテイリンググループの複数のポジションを経てGUの社長職に就いています。就任当初のGUは26億円規模の赤字を抱えていましたが、柚木氏のもとで立て直しが進み、収益性の高いブランドへと成長しました。低価格戦略に加えてトレンド発信力を強化する方針が打ち出され、外部デザイナーとの協業が積極的に取り入れられるようになっていきます。

GUに専属クリエイティブディレクターがいなかった理由は社内デザイン主導の体制にある

GUはこれまで、ユニクロのような専属のクリエイティブディレクター職を置かず、社内のデザインチームを中心に企画と製造を進める体制を取ってきました。その一方で、時期ごとに国内外のデザイナーやクリエイターを招き入れ、期間限定のコラボレーションラインを展開することでファッション性を補ってきたのです。

つまり「GUの歴代デザイナー」というテーマを考えるとき、ユニクロにおける歴代クリエイティブディレクターのような単一の系譜をたどることはできません。むしろ複数のコラボレーション相手が並走してきた点こそが、GUのデザイン史の特徴といえるでしょう。この体制は2025年まで続き、2026年にフランチェスコ・リッソ氏が就任したことで、GU史上初めて一人のデザイナーがブランド全体を統括するフェーズに入りました。

以下では、GUと関わりの深かった主要なデザイナーやクリエイターを、確認できた情報の範囲で紹介していきます。

GUの顔となったUNDERCOVER高橋盾氏はGUとのコラボを2021年4月に始めた

GUのコラボレーション史のなかで、最も存在感を放ってきたのがアンダーカバーのデザイナー、高橋盾氏です。GUとUNDERCOVERのコラボレーションは2021年4月にスタートしたとされ、その後も断続的にコレクションを重ねてきました。

高橋盾氏は1969年に群馬県で生まれています。文化服装学院在学中の1990年、同級生だった一之瀬弘法氏とともにブランド「アンダーカバー」を立ち上げました。当初は手刷りのTシャツや一点物の販売から始まり、東京のストリートカルチャーと音楽を融合させたスタイルを展開していきます。1994年には東京コレクションに初参加し、2002年にはパリコレクションにも参加するようになりました。

高橋氏はイギリスのデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドが手掛けたパンクムーブメントの象徴的ブランド「セディショナリーズ」やセックス・ピストルズのスタイルに強い衝撃を受けたと語っています。加えて、川久保玲氏によるコム デ ギャルソンや、マルタン・マルジェラ氏のアヴァンギャルドなものづくりからも影響を受けたそうです。2013年秋の第31回毎日ファッション大賞で2度目のグランプリを受賞して以降、パリでの大規模なショー開催などを通じてデザイナーとしての評価をさらに高めていきました。近年はファッションデザインにとどまらず、独学で油絵制作にも取り組んでいます。2023年には東京で、2024年には香港で個展を開催するなど、アーティストとしての活動も広げてきました。

UGラインは2025年3月14日に恒久ラインとして正式ローンチされた

GUとUNDERCOVERのコラボレーションは、当初はシーズンごとの期間限定という位置づけでした。しかし人気と評価の高さから徐々に関係が深まり、2025年3月14日には「UG」という恒久ラインとして正式にローンチされています。UGの特徴は、UNDERCOVERチームがプロダクトデザインからフィッティング、キービジュアル制作までを一貫して手掛ける点にあります。単なる期間限定コラボを超えた、本格的な体制で運営されているわけです。

ファーストコレクションはメンズ19型からスタートし、その後も継続的に新作が発表されてきました。2025年秋冬コレクションでは「Silent/Noise」というコンセプトが掲げられ、穏やかな日常のなかにふとした違和感や驚きをもたらす、遊び心のあるデザインと自由なスタイリングが提案されています。高橋氏が手描きしたレオパード柄をあしらったリバーシブルジャケットや、2025年春夏コレクションに登場した架空の「Noise Burger Shop」の新グラフィックを使ったヘビーウェイトスウェットなど、遊び心のあるアイテムが並びました。

このコラボレーションについて、高橋氏は次のようなコメントを残しています。エッジの効いたカジュアルウェアを目指したコラボレーションであり、心地よさにUNDERCOVERらしいスパイスを加えたデザインによる刺激を狙ったとのことです。穏やかな日常のなかで服を着ることを通して感じる心地よいノイズを常に模索しているといい、スウェットではあえて縫い目を表面に出したり、フライトジャケットでは異素材をミックスしたりと、微妙な刺激のバランスにこだわったそうです。UNDERCOVER単体の仕事では生まれない、GUとのコラボレーションだからこそ可能になった表現だと振り返っています。大手カジュアルブランドとハイセンスなデザイナーズブランドという組み合わせだからこそ生まれる表現を意識していたことがうかがえるコメントです。

蜷川実花氏のM/mika ninagawaはGUと2021年5月21日に初コラボした

GUのコラボレーション相手はファッションデザイナーだけにとどまりません。写真家であり映画監督としても活躍する蜷川実花氏がディレクションするブランド「M / mika ninagawa」も、GUと初めてコラボレーションを行った相手のひとつです。

蜷川実花氏は写真家としてキャリアを始め、木村伊兵衛写真賞をはじめ数々の賞を受賞してきました。作品は一貫して極彩色を用いた鮮やかな色彩表現を特徴としています。2008年には「蜷川実花展」が全国の美術館を巡回し、2016年には台北の現代美術館で大規模な個展を開催するなど、国内外で高い評価を受けてきました。映画監督としても『ヘルタースケルター』や『人間失格 太宰治と3人の女たち』といった作品を手掛けており、写真、映像、ファッションの領域を横断して活動するクリエイターです。

GUと蜷川実花氏がディレクションするM / mika ninagawaの初コラボレーションコレクションは、2021年5月21日より全国のGU店舗およびオンラインストアで発売されました。「Follow your own star.」がテーマに掲げられ、花をモチーフに、蜷川氏が得意とする夢のように鮮やかな色使いを存分に取り入れたワンピースやクリアバッグ、アクセサリーなどが展開されています。SNS上でも大きな反響を呼びました。

GUのクリエイティブディレクターにフランチェスコ・リッソ氏が2026年1月8日付で就任した

これまで期間限定のコラボレーションを重ねる形でファッション性を高めてきたGUですが、2026年1月8日、ファーストリテイリングはイタリア人デザイナーのフランチェスコ・リッソ氏をGUのクリエイティブディレクターに任命したと発表しました。これはGUの歴史において初めて、恒常的にブランド全体のデザインの方向性を統括する専属クリエイティブディレクターが置かれた出来事です。GUのデザイン体制における大きな転換点として、業界内外から注目を集めました。

フランチェスコ・リッソ氏はイタリア出身のファッションデザイナーで、フィレンツェ、ニューヨーク、ロンドンでファッションを学んだ経歴を持っています。その後、イタリアの名門ブランド「プラダ」で約10年間、デザイナーとしての経験を積みました。プラダ以前には、アレッサンドロ・デラックアやマーロといったブランドでも経験を重ねています。

プラダでのキャリアを経て、2016年にはイタリアブランド「マルニ」のクリエイティブディレクターに就任しました。これはブランドの創業者であり、それまでクリエイティブディレクターを務めていたコンスエロ・カスティリオーニ氏の後任としての起用です。リッソ氏は2017年秋冬コレクションから2025年秋冬コレクションまで、約9年間にわたってマルニのデザインを牽引しました。独自の色彩感覚と実験的なシルエットで、マルニのブランドイメージを刷新した実績を持つ人物です。2025年6月にマルニのクリエイティブディレクターを退任したことが発表され、その半年後となる2026年1月、GUのクリエイティブディレクター就任が発表されました。

GU起用の狙いは若年層の支持率でナンバーワンを目指す戦略にある

今回の起用は、ファーストリテイリングが若年層を中心とした支持率でナンバーワンを目指す戦略の一環とされています。リッソ氏はGUのクリエイティブディレクターとして2026年秋冬シーズンからの本格展開を計画し、実際に2026年7月下旬から新コレクションが各店舗で本格展開されました。加えて、年内にはユニクロとのコラボレーションも予定されており、グループ内でも重要な役割を担うポジションとしてGUのクリエイティブディレクター職が位置づけられていることがうかがえます。

リッソ氏自身は、GUというブランドを通じて幸福論をファッションから届けたいという趣旨のコメントを残しています。高価格帯のラグジュアリーブランドで培った経験やクリエイティビティを、誰もが手に取りやすい価格帯のGUに落とし込むという挑戦に意欲を見せているようです。

GUの2026年秋冬コレクションは6つのコンセプトで構成された

フランチェスコ・リッソ氏が手掛けるGUの2026年秋冬コレクションは、ウィメンズとメンズの両方が2026年7月下旬からGU各店舗で本格展開されました。同コレクションは6つのコンセプトで構成されている点が特徴です。それぞれの内容は次の表のとおりです。

コンセプト名方向性
GUミニマル黒を基調に、無駄をそぎ落としたシンプルなスタイル
GUクラシック70年代の着こなしを現代的にアレンジしたカジュアルでノスタルジックなスタイル
GUプレイフル重ね着に使いやすい色柄アイテムを豊富に揃えたライン
GUユーティリティ都市部から自然の中まで幅広いシーンになじむ機能性ウェア
GUスポーツ80年代から90年代のレトロなスポーツウェアから着想したデザイン
GUコージー柔らかな色合いと肌触りの良さにこだわったラウンジウェア

GUミニマルではファインゲージニットのVネックカーディガン(メンズ)が展開され、価格帯もGUらしく抑えられていました。ミニマルラインのフェイクレザーバルーンヘムパーカ(ウィメンズ)は5,990円で販売されており、ラグジュアリーブランド出身のデザイナーが手掛けたとは思えないほど手に取りやすい設定になっている点も話題になりました。

ファストファッションとデザイナーコラボは2004年のH&M×カール・ラガーフェルドが先駆けとされる

GUに限らず、ファストファッションブランドが著名デザイナーとコラボレーションする手法は業界全体で広く行われてきました。この流れの先駆けとされるのが、2004年にH&Mが発表したカール・ラガーフェルド氏とのコラボレーションです。2008年にはH&Mが原宿に出店し、コム デ ギャルソンの川久保玲氏とのコラボレーションアイテムを発売するなど、海外発のファストファッションブランドが日本のデザイナーと組む動きも広がっていきました。

こうしたコラボレーションが業界で選ばれてきた理由のひとつは、マーケティングコストと製造コストを双方のブランドで分担できる点にあるとされています。ゼロから新ラインを立ち上げるよりも効率的にコストを抑えられるうえ、デザイナー側のファンとブランド側の顧客層の双方にアプローチできるという利点もあります。一方で、コラボ先との調整に時間や手間がかかることや、組み合わせによってはブランドイメージにマイナスの影響が出ることもある、という課題も指摘されているようです。

GUがUNDERCOVERとの関係を単発のコラボレーションから恒久ラインのUGへと発展させた背景には、こうした業界全体のコラボレーション戦略のなかでも、一過性の話題づくりにとどまらない継続的な関係構築を選んだ姿勢が表れているといえるでしょう。

GUの歴代デザイナーについてよく聞かれる疑問

GUに専属のデザイナーがいるのかと聞かれることがありますが、2025年まではその答えは「いいえ」でした。社内デザインチームが企画と製造を主導し、コラボレーション相手のデザイナーが時期ごとに加わる体制だったからです。この構図が変わったのが2026年1月で、フランチェスコ・リッソ氏の就任によって初めて専属のクリエイティブディレクターが誕生しました。

GUのコラボレーション相手として最も長く続いているのは誰かという疑問についても、確認できた範囲では高橋盾氏によるUNDERCOVERが該当します。2021年4月のスタートから継続的に発展し、2025年には「UG」という恒久ラインへと昇華しました。単発のコラボレーションで終わらず、常設のラインにまで育った点は、GUのコラボレーション史のなかでも珍しい例といえるでしょう。

ファッションデザイナー以外とのコラボレーションがあるのかという点については、写真家であり映画監督でもある蜷川実花氏がディレクションするM / mika ninagawaとの協業がその一例です。服飾の専門教育を受けたデザイナーに限らず、色彩表現に強みを持つクリエイターとの協業も行われてきたことがわかります。

GUのデザイン史はコラボレーションの時代から専属ディレクターの時代へ移った

ここまで見てきたように、GUはブランド創設以来、専属のクリエイティブディレクターを置かず、社内デザインチームを軸としながら、高橋盾氏によるUNDERCOVERや蜷川実花氏によるM / mika ninagawaといった各分野で実績のあるクリエイターとの期間限定コラボレーションを重ねてきました。なかでもUNDERCOVERとのコラボレーションは2021年のスタートから継続的に発展し、2025年に「UG」という恒久ラインへ昇華した点で、GUのコラボレーション史における重要な事例のひとつです。

そして2026年、GUはマルニで9年間クリエイティブディレクターを務めたフランチェスコ・リッソ氏を専属クリエイティブディレクターとして迎え入れました。ブランド史上初めて、一人のデザイナーがブランド全体の方向性を統括する体制に移ったのです。これは単発のコラボレーションとは性質の異なる動きであり、GUというブランドが今後どのような方向に進むのか、ファッション業界内外から注目が集まっています。

年内に予定されているユニクロとのコラボレーションも含め、リッソ氏を中心としたファーストリテイリンググループ全体のクリエイティブ戦略には、まだ動きがありそうです。GUの歴代デザイナーの系譜は、新しい章に入ったところといえます。

歴代デザイナーが手がけてきたGUでは、ヒット商品も数多く生まれています。GUバレルレッグジーンズでは、累計1000万本を突破した人気アイテムの魅力を紹介しています。

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