リユース市場は2023年に3兆1,227億円を突破し、2025年には3兆2,500億円から3兆5,000億円規模への成長が見込まれる、投資家にとって見逃せない成長市場です。ゲオホールディングス、トレジャー・ファクトリー、ブックオフグループホールディングス、ハードオフコーポレーション、コメ兵ホールディングス、メルカリといった上場企業が市場を牽引しており、SDGsへの関心の高まりや円安によるインバウンド需要など、複数の追い風を受けて拡大を続けています。
この記事では、3兆円市場に成長したリユース業界の現状と成長要因を詳しく解説するとともに、2025年における投資対象として注目すべき企業の業績や投資指標を徹底分析します。各企業の強みや成長戦略、リスク要因まで網羅しているため、リユース関連銘柄への投資を検討している方にとって必読の内容となっています。

リユース市場とは何か、なぜ3兆円規模に成長したのか
リユース市場とは、中古品の買取・販売を行う市場のことで、リサイクルショップやフリマアプリ、ネットオークションなどが含まれます。リユース経済新聞の調査によると、2023年の国内リユース市場規模は前年比7.8%増の3兆1,227億円となり、2009年の1兆1,274億円から14年連続で拡大を続けてきました。この急成長の背景には、サステナビリティ意識の高まり、コストパフォーマンス重視の消費行動の定着、円安による海外需要の創出という3つの大きなトレンドがあります。
特に注目すべきは、メルカリ社の推計によると潜在需要が66兆円にも上るという点です。現在の市場規模はその一部に過ぎず、家庭に眠る不用品の推定価値は約7.6兆円から67兆円とも言われています。2030年には4兆円を超える市場規模になるとの予測もあり、リユース市場は中長期的に大きな成長余地を残しています。
リユース市場の成長を支える3つのメガトレンド
サステナビリティ意識と倫理的消費の広がり
環境問題への関心が高まる中、リユース品を選択する「倫理的消費」が一般化しています。使用済製品をリユースすることで、製品の使用年数が延長され、長期的には廃棄物の減量や資源の有効活用につながります。さらに、新たな製品の製造に伴うCO2排出を削減できるというメリットもあり、環境に配慮した消費行動としてリユースが支持されるようになりました。
リユース市場は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも直接的に貢献しています。特に、目標12「つくる責任、つかう責任」において、リユースは生産と消費のサイクルを持続可能にするための鍵とされています。2025年6月17日には、環境省主催による「使用済製品のリユースの促進に係る第1回検討会」が開催され、国は令和7年度中にリユースの促進に向けたロードマップの策定を目指しています。
コストパフォーマンス重視のスマート消費
長引く経済の不透明感や物価高騰を背景に、賢くお金を使う「スマート消費」が定着しています。中古品に対する抵抗感が薄れ、新品よりも割安な価格で購入する、購入した商品を売却するという消費者の行動は、「賢い消費」と捉えられるように変化してきました。環境省が令和6年度に実施した消費者アンケートによると、「過去1年間では中古品を利用したことはない」との回答が71.2%であり、消費者の約7割はまだリユースを経験していません。これはリユース市場にはまだ大きな伸びしろがあることを示しています。
円安がもたらすインバウンド需要と越境ECの好機
円安は、高品質な日本のヴィンテージ品や中古ブランド品を求める海外消費者にとって、またとない購入機会となっています。越境EC(海外向け電子商取引)への対応は、国内市場に留まらない新たな顧客層を獲得する大きなチャンスです。高品質かつ安価な日本のリユース品は、アジアや欧米を中心に海外の消費者から高い人気を誇っており、観光客に向けたサービスの提供にとどまらず、現地への店舗出店や越境EC・輸出ビジネスの展開など積極的な海外進出を行うリユース企業も増加しています。
Z世代がリユース市場を変える理由
1990年中期から2000年代終盤に生まれたZ世代は「SDGsネイティブ」と呼ばれ、環境意識が高いとされています。調査によると、Z世代の7割以上が環境にやさしい取り組みを実施した経験があり、SDGsに配慮した商品を5割が購入しています。メルカリ総合研究所の調査によると、Z世代の63%がフリマアプリを利用し、「売ったお金で欲しいものを購入する」ことが多いと答えています。
ただし、Z世代は情報リテラシーが高く、上辺だけのSDGsはすぐに見抜かれます。サステナブルと高い商品価値の両立ができているかどうかを、よりシビアな目線で見ている点は、リユース企業にとって重要な考慮事項です。Z世代の消費行動は、リユース市場の成長を後押しする一方で、企業に対して本質的なサステナビリティへの取り組みを求めています。
2025年に好調な商品カテゴリーとその背景
玩具・模型カテゴリーが急成長を遂げている理由
リユース業界でいま最も好調な商品カテゴリーが「玩具・模型」です。2023年の市場規模は2,546億円で、前年比120.2%と大幅に増加しました。特に中古トレーディングカードはマーケットが急拡大しており、ポケモンカードなどの人気商品は高額で取引されるケースも多くなっています。
この成長の背景には、コレクターズアイテムとしての価値の再評価や、投資対象としてのトレーディングカードへの注目があります。また、対戦スペースの設置など店舗でのコミュニティ形成も、市場拡大に貢献しています。ブックオフグループホールディングスは売場拡張や対戦スペースの設置など既存店のリニューアルを強化した結果、2025年5月期のトレカ・ホビー売上高は前年同期比10.7%の増加と2桁以上の成長率を維持しています。
ブランド品カテゴリーとインバウンド需要
「ブランド品」もインバウンド需要回復の影響により、前年比119.4%の3,656億円と大きく成長しました。円安の影響で、海外からの観光客にとって日本のブランドリユース品は非常に魅力的な価格となっています。ただし、為替変動の影響を受けやすく、高額の時計やブランドバッグを中心に商品相場が軟調に推移する時期もあります。この点は投資判断において考慮すべきリスク要因です。
衣料品・家電・スポーツ用品も堅調
衣料品、スポーツ用品、家電製品なども堅調な成長を続けています。特に衣料品は「セカンドストリート」などの総合リユースショップの主力商材として、安定した需要があります。家電製品については、2025年6月に発売されたNintendo Switch 2などの新製品発売に伴う買い替え需要が、中古市場にも好影響を与えました。
投資で注目すべきリユース上場企業6社の徹底分析
ゲオホールディングス(証券コード:2681)は業界トップの実力
ゲオホールディングスは、中古品売上高2,440.9億円で業界トップの企業です。メディア店の「ゲオ」、総合リユースの「セカンドストリート」、ブランド品の「OKURA」等を展開しています。同社は「リユース業界世界一挑戦」を標榜しており、米国、台湾、マレーシアなど海外にも積極的に出店しています。
出店計画と成長目標としては、2029年3月に国内1,000店舗(前期実績838店)、米国は2028年3月までに100店舗(前期実績35店)を目標としています。ゲオグループは2035年頃には売上規模を倍にすることを目標としており、その中心となるのはリユース事業と考えています。
2025年の業績を見ると、当中間連結会計期間における売上高は2,169億4,300万円(前年同期比8.6%増)、経常利益は55億7,200万円(前年同期比7.1%増)となりました。特に2025年6月発売のNintendo Switch 2と周辺機器を含むゲーム関連商材の売上が好調で、新品商材の売上高は532億7,000万円(前年同期比19.7%増)を記録しました。
投資指標としては、PERは12.28倍、PBRは0.73倍、配当利回りは2%程度となっています。リユースの世界市場は、2025年の2,140億ドルから2035年には1兆ドルを超える規模に拡大するという見方があり、北米・アジア太平洋・欧州地域でのリユース衣料・服飾雑貨市場の拡大を踏まえた積極的な展開が期待されます。
トレジャー・ファクトリー(証券コード:3093)は高成長を継続
トレジャー・ファクトリーは、2025年2月期の売上高が422億円で、前期比22.5%増の増収を達成しました。これは4期連続での20%超の成長であり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しています。同社の強みは、海外観光客の増加や円安の影響を受けた都心店でのインバウンド売上の拡大にあります。インバウンド売上高は前年比33.3%増の60億円となり、大幅増収増益を達成しました。グループ店舗数は293店舗(2025年2月時点)に達しています。
2026年2月期の予想売上高は462億5,200万円(前期比9.5%増)、予想経常利益は44億4,100万円(同8.7%増)となっています。投資指標を見ると、株価は1,796円前後で推移しており、予想PERは13.9倍、予想配当利回りは2.17%、ROE予想は28.90%と高い収益性を示しています。目標株価(コンセンサス)は2,500円で、現在株価とのかい離率は32.49%となっており、アナリストからの評価は高いです。
中期経営計画では2027年2月期に経常利益46億円を目指しており、首都圏を中心に衣料・家電・家具・生活雑貨・ブランド品などの総合リサイクルショップ展開をさらに加速させる方針です。
ブックオフグループホールディングス(証券コード:9278)はトレカで差別化
ブックオフグループホールディングスは、2025年5月期に連結売上高1,192億円、経常利益39億円を達成し、13期ぶりに経常利益の過去最高値を更新しました。売上高は前期比6.8%増、経常利益は前年同期比13.2%増、純利益も23.2%増の21億円と堅調な数字を示しています。
特に注目すべきは、トレカ・ホビー分野の好調です。売場拡張や対戦スペースの設置など既存店のリニューアルを強化した結果、2025年5月期のトレカ・ホビー売上高は前年同期比10.7%の増加と2桁以上の成長率を維持しています。商材別構成比では、トレーディングカード・ホビーとアパレルがそれぞれ20.0%以上を占めています。
今後の見通しとして、2026年5月期は売上高が前期比7%増の1,270億円、純利益は5%増の22億円を見込んでいます。年間配当は前期より5円多い30円を計画しています。2028年5月期の中期経営計画では、経常利益を45億円から50億円へと上方修正しました。
ハードオフコーポレーション(証券コード:2674)は高配当が魅力
ハードオフコーポレーションは、「ハードオフ」「オフハウス」「ホビーオフ」などのリユース店を運営しており、2024年11月にグループ1,000店舗を達成しました。47都道府県すべてに出店しており、海外にも進出しています。
2025年3月期の連結純利益は前期比6%増の22億円となり、売上高は前期比11%増の333億円、営業利益は17%増の32億円に上方修正されました。家庭用ゲーム機や楽器などを中心に国内既存店の売り上げが好調でした。2026年3月期中間期は、売上高が過去最高の172億5,700万円(前年同期比6.8%増)を達成しました。通期予想は売上高360億円(前期比7.4%増)、営業利益35億5,000万円(同10.3%増)を見込んでいます。
投資指標としては、配当利回りは約4.15%と高く、ROE予想は13.48%、ROA予想は8.86%となっています。PERは10.35倍、PBRは1.45倍と、比較的割安な水準で推移しています。インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的な銘柄です。
コメ兵ホールディングス(証券コード:2780)はブランドリユースの雄
コメ兵ホールディングスは、日本最大級のリユースデパートとして中古ブランド品を扱っています。売上高は大幅に伸びており、2025年3月期は前期比33%増の1,585億円を見込んでいます。ただし、時計やバッグの相場下落により利益率が低下し、連結純利益は前期比15%減の42億円になると発表しました。為替変動の影響を受けやすいブランドリユース事業の特性が表れた結果です。
中期経営計画では、創業80周年にあたる2028年3月期に売上高2,500億円、海外売上高比率15%、グループ店舗数420店舗を目指しています。その先には、ブランドリユース売上高世界No.1の実現を視野に入れています。M&Aによる事業拡大も成長戦略の1つに掲げており、2024年10月にはアールケイエンタープライズと子会社RODEO DRIVE JAPAN CO.LIMITEDの株式を取得しました。
メルカリ(証券コード:4385)はテクノロジーで差別化
メルカリは国内最大のフリマアプリ「メルカリ」を展開しており、日経平均採用銘柄およびJPX日経400採用銘柄となっています。2024年7月から2025年3月期の連結決算では、純利益が前年同期比34%増の117億円となり、同期間としては過去最高を更新しました。売上収益は2%増の1,440億円、コア営業利益は49%増の199億円となりました。国内フリマのマーケットプレイス事業の流通総額(GMV)は5%増の8,460億円で過去最高を記録しました。
特に第3四半期単独(2025年1月から3月)のコア営業利益は88億円(前年同期比85%増)となり、過去最高を更新しました。2025年6月期通期の連結業績予想は、売上収益が前期比7から12%増の2,000億円から2,100億円、コア営業利益は17から32%増の220億円から250億円を見込んでいます。
同社はAIを活用した「AI出品サポート」の提供を開始しており、写真を撮影しカテゴリーを選ぶだけで出品に必要な情報が自動入力されます。テクノロジーによる差別化を図っています。ただし、米国事業については通期でのブレークイーブン(損益均衡)を目標としており、未達の場合には撤退を含めた「あらゆる選択肢の検討を進める」としている点は注意が必要です。
リユース業界売上ランキング2025から見る業界動向
「リユース売上ランキング2025(2024年度実績)」によると、上位10社のリユース売上高の合計は9,987億4,000万円となり、1兆円まで秒読み段階に入っています。エコリングホールディングスが10位となり、9年ぶりにトップ10入りを果たすなど、順位の変動も見られます。大手企業による寡占化が進む一方で、特定カテゴリーに特化した専門店の台頭も見られ、業界構造は徐々に変化しています。
リユース業界でM&Aが活発化している背景
リユース業界ではM&A(合併・買収)が活発化しており、業界再編が進んでいます。特に、大手リサイクル・リユース企業による地域密着型の中小リサイクルショップの買収が増加しています。これは、大手による商圏拡大と取扱商品の多様化を目指す動きです。
M&Aが活発化する背景として、後継者不足の問題があります。日本の中小企業では後継者不足が深刻な課題となっており、2025年までに70歳以上の経営者が約245万人に達し、そのうち約半数が後継者不在の状況にあるとされています。家業として経営されてきた中小規模の会社では、後継者不在による事業継続の危機に直面するケースが見られます。
一方で、リユース業界は元来、不況に強い特徴を持っています。その理由は、経済が低迷する時期には「不要な品物を手放して現金化したい」「品物をできるだけ安く手に入れたい」という消費者ニーズが高まるためです。このような業界特性から、異業種からリユース事業への参入を検討する企業も増加中です。
具体的なM&A事例としては、トレジャー・ファクトリーによるピックアップジャパンの買収、ハードオフコーポレーションによるエコプラスの買収、バリュエンスホールディングスによるNEO-STANDARDの買収、テイツーによる山徳と着物インターナショナルの買収などが挙げられます。
海外展開と越境ECが成長のカギとなる理由
海外市場における日本のリユース品の評価
日本のリユース市場は、越境EC(海外向け電子商取引)と連携することで、新たな収益源を生み出しています。特に、東南アジアや欧米市場では、日本の中古品が高品質であると評価され、高い需要を誇っています。今後人口減少が見込まれる日本において、海外展開により海外の顧客を獲得することで売上規模拡大が期待できます。
主要企業の海外戦略
ゲオホールディングスは米国でセカンドストリートの出店を加速させており、2028年3月までに100店舗を目標としています。トレジャー・ファクトリーもインバウンド売上が前年比33.3%増と好調で、海外からの需要を取り込んでいます。コメ兵ホールディングスは中期経営計画で海外売上高比率15%を目指しており、ブランドリユース売上高世界No.1の実現を視野に入れています。
越境ECの課題と可能性
越境ECを始めるには、言語の壁、決済システムの対応、物流の整備、各国の規制への対応など、国内事業とは異なるハードルがあります。しかし、現在の円安は輸出の観点からは好機であり、海外市場への展開は中長期的な成長戦略として重要性を増しています。
テクノロジーとDX化がリユース業界を変革する
リユース業界では、AIやビッグデータを活用した在庫管理が進んでいます。デジタル化によって在庫の可視化が容易になり、需要予測アルゴリズムを活用した価格調整や、リアルタイムでの市場動向の分析が進むことで、仕入れから販売までのプロセスが大幅に効率化されています。
メルカリのAI出品サポートに代表されるように、テクノロジーを活用したユーザー体験の向上も重要なトレンドです。写真を撮影するだけで商品情報が自動入力される機能は、出品のハードルを下げ、市場の活性化に貢献しています。また、真贋鑑定にAIを活用する動きも広がっており、ブランド品の偽物流通を防ぐ取り組みが進んでいます。これは消費者の信頼獲得につながり、市場全体の健全な成長に寄与しています。
主要フリマアプリの手数料と特徴を比較
リユース市場において、フリマアプリは重要なプラットフォームとなっています。主要なフリマアプリの特徴と手数料を比較すると、それぞれに異なる強みがあります。
| アプリ名 | 販売手数料 | 特徴 | 主なユーザー層 |
|---|---|---|---|
| メルカリ | 10% | 国内最大級、月間アクティブユーザー2,000万人超 | 若年層中心、ファッション・トレンド商品に強い |
| Yahoo!フリマ | 5% | 主要フリマアプリ中最安の手数料 | 20〜30代のPayPayユーザー |
| ラクマ | 4.5%〜10% | 実績多数で最安4.5%、楽天経済圏と連携 | 楽天ユーザー |
| ヤフオク | 8.8%〜10% | オークション形式、希少品が高値になりやすい | 年齢層高め、コレクター向け |
フリマアプリの使い分けについては、手数料だけでなく、各プラットフォームのユーザー層や売れ筋商品の違いを考慮することが重要です。複数のプラットフォームに出品することで、売上と露出を最大化できる可能性があります。
リユース銘柄への投資判断で押さえるべきポイント
成長性を評価する際の着眼点
リユース市場は2030年に4兆円規模への拡大が予測されており、業界全体として高い成長性が期待できます。ただし、企業によって成長率には差があり、トレジャー・ファクトリーのように4期連続20%超の成長を達成している企業もあれば、成長が鈍化している企業もあります。売上高の成長率だけでなく、既存店売上高の推移や出店計画、海外展開の進捗なども重要な評価ポイントとなります。
収益性を見極めるコツ
リユース業界は在庫リスクや真贋鑑定コストなど、特有のコスト構造を持っています。営業利益率やROEなどの収益性指標を確認し、持続可能な利益を上げられるビジネスモデルかどうかを評価する必要があります。特にブランドリユース事業は為替変動や商品相場の影響を受けやすく、コメ兵ホールディングスの2025年3月期決算のように、売上は伸びても利益が減少するケースがある点に注意が必要です。
バリュエーションの考え方
リユース関連銘柄のPERは10倍から15倍程度の企業が多く、成長性を考慮すると必ずしも割高とは言えない水準にあります。PBRが1倍を下回る銘柄もあり、資産価値に対して株価が割安な企業も存在します。配当利回りについては、ハードオフコーポレーションの4.15%のように比較的高い企業もあれば、成長投資を優先して配当を抑えている企業もあります。投資スタイルに応じた銘柄選択が重要です。
リユース銘柄投資で考慮すべき4つのリスク要因
投資判断においては、以下のリスク要因も考慮する必要があります。
景気変動リスクとして、景気後退局面では消費者の購買意欲が低下し、リユース品への需要にも影響が及ぶ可能性があります。ただし、逆に節約志向が高まることでリユース品への需要が増加するケースもあります。
競争激化リスクとして、リユース市場の成長に伴い、新規参入企業も増加しています。買取・販売競争の激化により、利益率が低下する可能性があります。
為替変動リスクとして、特にブランドリユース事業は、円高・円安の影響を受けやすい特性があります。円高に振れた場合、インバウンド需要の減少や海外事業の収益悪化につながる可能性があります。
規制リスクとして、古物営業法をはじめとする規制の変更が、事業運営に影響を与える可能性があります。
政府の循環経済政策がリユース市場を後押しする
令和6年12月27日に閣議決定した「循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行加速化パッケージ」では、循環経済関連ビジネスの市場規模を2030年までに現在の約50兆円から80兆円への拡大を目指すことが示されました。2030年までに実施すべき対策の方向性として、消費者のリユース取組の促進、リユース市場の拡大に向けた需要創出、リユース事業の信頼性の向上、リユース促進に向けた基盤づくりの4点が挙げられています。政府がリユース市場の拡大を後押しする姿勢を明確にしたことは、業界にとって大きな追い風となります。
海外のリユース市場規模との比較
グローバルな視点で見ると、アメリカのリユース市場は2022年に約1,741億ドル(約25兆円)に達し、2030年には3,093億ドル(約44兆円)に成長すると予測されています。ヨーロッパでもリユース市場は大きな成長を遂げており、2021年には約750億ユーロ(約12兆円)に達し、2025年には1,200億ユーロ(約19兆円)に成長することが見込まれています。日本のリユース市場も成長を続けていますが、人口や経済規模を考慮すると、欧米市場と比べてまだ発展の余地があります。
まとめ
リユース市場は、SDGsへの関心の高まり、消費者の価値観の変化、テクノロジーの進歩など、複数の追い風を受けて成長を続けています。3兆円を突破した市場は、2030年に向けて4兆円規模への拡大が予測されており、中長期的な投資対象として魅力的な市場です。投資先としては、業界トップのゲオホールディングス、高成長を続けるトレジャー・ファクトリー、トレカ・ホビーで差別化を図るブックオフグループホールディングス、高配当のハードオフコーポレーション、ブランドリユースに強みを持つコメ兵ホールディングス、テクノロジー活用で先行するメルカリなど、それぞれ特徴を持った企業が存在します。投資判断においては、各企業の成長戦略、収益性、バリュエーション、リスク要因を総合的に評価し、自身の投資スタイルに合った銘柄を選択することが重要です。なお、本記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。









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