エシカルジュエリーとは、環境や人権に配慮した倫理的な方法で生産されたジュエリーのことです。2026年現在、日本ではHASUNA、SHINCA、ANNA DIAMONDをはじめとする多くのブランドがエシカル・サステナブルなジュエリーを展開しており、ラボグロウンダイヤモンドやフェアマインド認証素材を使った商品が急速に市場へ浸透しています。この記事では、エシカルジュエリーの基本的な意味から日本で選べる代表的なブランドの特徴、2026年の最新市場動向、そして婚約指輪・結婚指輪としての選び方まで、詳しくお伝えします。美しさだけでなく、その背景にある生産プロセスや社会貢献にも目を向けたジュエリー選びの参考にしていただければ幸いです。

エシカルジュエリーとは?サステナブルジュエリーとの違いも解説
エシカルジュエリーとは、「エシカル(ethical)=倫理的」という価値観に基づいて作られたジュエリーを指します。地球環境への配慮はもちろんのこと、素材の採掘から加工、販売に至るすべての過程で、関わる人々が適切な対価を受け取り、安全な環境で働けることが求められます。つまり、持続可能で公正な形で生産されたジュエリーがエシカルジュエリーです。
一方、サステナブルジュエリーは、環境・社会・経済の持続可能性を軸にして作られたジュエリー全般を指す、より広い概念として位置づけられています。エシカルジュエリーはサステナブルジュエリーの一部と捉えられることが多く、どちらも「美しいジュエリーを身につけることが、誰かの犠牲や地球環境の破壊につながっていないか」という問いから生まれた考え方です。2026年の日本では、この二つの言葉がほぼ同じ意味合いで使われるケースも増えており、消費者にとっては「人と地球に優しいジュエリー」として認識が広まっています。
ジュエリー産業が抱える環境問題と社会課題
エシカルジュエリーが注目される背景には、従来のジュエリー産業が抱えてきた深刻な問題があります。ここでは、その代表的な課題について詳しく見ていきます。
金の採掘がもたらす環境破壊
金を採掘する過程では大量の土砂を掘り起こす必要があり、これが土地の大規模な破壊や森林伐採につながっています。さらに深刻なのは、金を岩石から分離する際に水銀やシアン化物などの有害な化学物質が使用されることです。これらの物質が河川や地下水に流出すると、深刻な水質汚染を引き起こします。世界では金採掘のために1日あたり約8トンもの水銀が排出されているとも言われており、周辺地域の生態系や住民の健康に甚大な影響を与えています。
紛争ダイヤモンドと人権問題
ダイヤモンドの採掘においても、「紛争ダイヤモンド(ブラッドダイヤモンド)」と呼ばれる深刻な問題が存在します。これは、ダイヤモンドの採掘収益が武装勢力の資金源となり、内戦や人権侵害を助長するという問題です。この問題を受けて2003年にキンバリープロセス認証制度が導入されましたが、すべての問題が解決されたわけではありません。依然として採掘現場での人権侵害や労働搾取は課題として残っています。
労働環境と児童労働の問題
特に小規模な採掘現場(零細採掘)では、適切な安全装備もなく危険な作業を強いられる労働者や、適切な賃金が支払われないケース、そして児童労働の問題なども報告されています。こうした問題を解決するための制度として、フェアトレードやフェアマインド認証などが機能しており、エシカルジュエリーの広がりがこれらの問題解決を後押ししています。
エシカルジュエリーを支える認証制度と代替素材の最新動向
エシカルジュエリーの信頼性を担保するために、国際的な認証制度やさまざまな代替素材が活用されています。それぞれの特徴を詳しく解説します。
フェアマインド認証(Fairmined)の仕組み
フェアマインド認証は、2004年に国際非営利組織ARM(公正な採掘のための連盟)が設立した認証制度です。この認証を取得するためには、採掘における有害物質の低減、適切なインフラの整備、鉱山労働者への公正な労働環境基準の遵守といった厳格な要件を満たす必要があります。認証を受けた鉱山から採掘された金や銀には「Fairmined」ラベルが付与されるため、消費者はそのラベルを確認することで、倫理的に調達された素材かどうかを判断できます。2026年現在、日本でもフェアマインド認証ゴールドを使用するブランドが着実に増加しています。
リサイクルゴールド・リサイクルシルバーの活用
既存のジュエリーや工業製品などから回収・精製された金や銀を再利用する方法も、エシカルジュエリーにおいて重要な取り組みです。リサイクルメタルを使用すれば新たな採掘が不要となり、環境負荷を大幅に削減できます。日本国内でもリサイクルメタルを積極的に採用するブランドが増えており、サステナブルな選択肢として定着しつつあります。
ラボグロウンダイヤモンドとは何か
ラボグロウンダイヤモンドとは、実験室で人工的に製造されたダイヤモンドのことです。化学的・物理的・光学的な特性はすべて天然ダイヤモンドと同一であり、専門家でも外観から区別することはできません。地下での採掘が不要なため、土地の破壊、水質汚染、労働搾取などの問題を根本から解決できる素材として世界的に注目されています。日本市場でもラボグロウンダイヤモンドを使ったジュエリーブランドが急増しており、婚約指輪や結婚指輪の新たな選択肢として人気が高まっています。
モアサナイトとアップサイクル素材
モアサナイト(炭化ケイ素)は、ダイヤモンドと非常によく似た輝きを持つ合成宝石です。ダイヤモンドよりも高い屈折率を持ち、美しいきらめきが特徴となっています。鉱山開発に伴う諸問題を回避でき、コストも天然ダイヤモンドより抑えられるため、エシカルな選択肢として採用するブランドも存在します。また、一度ジュエリーとして使用された天然石やパールを再加工して新しいジュエリーを作る「アップサイクル」も、サステナブルジュエリーの重要な手法です。既存の素材に新しい命を吹き込むことで、新たな採掘を避けながら個性的なジュエリーを生み出すことができます。
2026年版 日本の主要エシカルジュエリーブランド一覧
2026年現在、日本国内にはさまざまなエシカル・サステナブルジュエリーブランドが存在しています。ここでは、代表的なブランドの特徴と取り組みを詳しく紹介します。
HASUNA(ハスナ)は日本のエシカルジュエリーの先駆者
HASUNAは、日本におけるエシカルジュエリーの先駆けとも言えるブランドです。創業者の白木夏子氏がインドの鉱山を訪れた際に、劣悪な環境で働く鉱山労働者の実態を目の当たりにしたことが設立のきっかけとなりました。HASUNAの最大の特徴は、使用する素材の産地と採掘工程が明確にわかるという点にあります。金はパキスタン、ペルー、ベリーズ、インドなど、自社スタッフが実際に現地に赴いて労働環境を確認した鉱山から調達されています。児童労働や環境汚染がないことを確認し、過程に透明性のある素材調達を実現しています。使用する金は「エシカルゴールド」と呼ばれ、働く人々と環境に配慮した方法で採掘されたものです。
2026年にはFLOWER COLLECTION 2026やSAKURA COLLECTIONなど、季節に合わせた新作コレクションを展開しており、ブランドとして継続的な成長を見せています。なお、2026年4月・5月より価格改定が実施される予定です。
ANNA DIAMOND(アンナダイアモンド)のロスパール活用
ANNA DIAMONDは、ラボグロウンダイヤモンドをメイン素材として採用しているブランドです。ダイヤモンドだけでなく、愛媛県宇和島市で仕入れた「ロスパール」と呼ばれる規格外のため通常は廃棄される真珠や、インド産の天然石を使ったジュエリーも展開しています。廃棄される予定だった素材に新たな価値を与えるという発想が特徴的です。さらに、1商品が購入されるごとに1本の植林に相当する寄付を行う取り組みも実施しており、購入することが環境保全につながる仕組みを構築しています。
GYPPHY(ジプフィー)のモアサナイトジュエリー
GYPPHYは、鉱山採掘に伴う問題の解決策として、主にモアサナイトを宝石に採用しているブランドです。ダイヤモンドと非常によく似た輝きを持つモアサナイトは、採掘による環境・社会問題を回避できる素材として注目されています。地金については一部にフェアマインド認証ゴールドやフェアマインド認証シルバーを使用しており、素材調達の透明性と倫理性に徹底的にこだわっています。
PRMAL(プリマル)の甲府職人技術
PRMALは、日本の伝統的なジュエリー製造地である甲府に根ざしたブランドです。ラボグロウンダイヤモンドをメイン素材とし、熟練した職人の手によって丁寧に製作されるジュエリーが特徴となっています。2026年3月には伊勢丹新宿でポップアップストアを開催しました。甲府の職人技術とサステナブルな素材を組み合わせることで、品質と倫理性の両立を実現しているブランドです。
SHINCA(シンカ)は日本初のラボグロウンダイヤモンドブランド
SHINCAは、日本初のラボグロウンダイヤモンドジュエリーブランドとして知られています。2018年10月から販売を開始し、サステナブルな輝きと高い製品品質で多くの消費者から支持を得ています。2026年4月には大丸福岡天神店でポップアップショップを開催するなど、全国的な展開を進めています。ラボグロウンダイヤモンドの先駆けとして、業界全体のサステナビリティへの意識向上にも貢献しているブランドです。
DIAMOND DOT LAB(ダイヤモンド ドット ラボ)のブライダルジュエリー
DIAMOND DOT LABは、ラボグロウンダイヤモンドに特化した結婚指輪・婚約指輪の専門ブランドです。天然ダイヤモンドと同等の美しさと特性を持つラボグロウンダイヤモンドを使用した、エシカルで美しいジュエリーを提供しています。結婚指輪、婚約指輪、婚約ネックレスなど、人生の大切な節目のジュエリーをエシカルな選択で揃えることができるのが魅力です。
SRIYE(スライエ)のラボグロウンダイヤモンド専門店
SRIYEは、ラボグロウンダイヤモンドの専門店として展開しているブランドです。天然ダイヤモンドと同じ輝きを持ちながら、採掘に伴う環境・社会問題とは無縁の素材を使用しており、エシカルな婚約指輪・結婚指輪を求める消費者から注目を集めています。
mi luna(ミ・ルーナ)のアップサイクルジュエリー
mi lunaは2019年より展開されているサステナブルジュエリーブランドです。一度ジュエリーとして輝いた天然石やパールをアップサイクルし、新たなジュエリーとして蘇らせるというコンセプトが特徴となっています。採掘過程における環境破壊や労働問題を招くことなく、それぞれ形の異なる個性的な天然石やパールに新しい輝きを与えています。同じアイテムが二つとないという独自性も、多くのファンを引きつける魅力です。
cofl by 4℃(コフル バイ ヨンドシー)の大手ブランド参入
4℃は日本を代表するジュエリーブランドの一つですが、2022年に「cofl by 4℃」というサステナブルジュエリーラインを立ち上げました。ラボグロウンダイヤモンドとリサイクルメタルを使用したジュエリーを展開しており、大手ブランドがエシカル路線に本格参入したという点で業界に大きなインパクトを与えました。知名度の高いブランドがサステナブルジュエリーを取り扱うことで、より多くの消費者へのエシカルな選択肢の普及につながっています。
SEPLUMO(セプルモ)とWWFジャパンの取り組み
SEPLUMOは、サステナブルでスタイリッシュなエシカルアクセサリーを展開するブランドです。環境に配慮した素材を使用しながら現代的なデザインのアクセサリーを提供しており、ファッション性とサステナビリティを両立させたブランドとして若い世代を中心に支持を集めています。また、世界自然保護基金(WWF)の日本法人であるWWFジャパンのオンラインショップでもエシカルジュエリーが販売されており、購入することが自然保護活動への支援につながるという点で環境意識の高い消費者から注目されています。
EARTHRISE(アースライズ)のオーガニックストーン®
EARTHRISEは、世界13カ国から集めたエシカル・フェアトレードの宝石・貴金属を用いてジュエリーを制作する日本のブランドです。ブランド名は「地球上に生きる命が、月面から見た地球の出(EARTHRISE)のように、真に輝く存在であってほしい」という想いから名付けられました。
EARTHRISEの最大の特徴の一つは、研磨以外に人工的な処理を施していないナチュラルな宝石「オーガニックストーン®」の使用にあります。多くのジュエリーに使われる宝石は色や透明度を向上させるために加熱処理や樹脂含浸などの処理が施されていますが、EARTHRISEではそうした処理を行わない天然そのものの宝石を採用しています。
創設者は幼い頃から途上国への支援やボランティア活動に取り組んでいた人物で、途上国と対等なビジネスや伝統技術の継承をジュエリーで実現するためにブランドを設立しました。2016年にはパキスタンのスワート渓谷に史上初となる女性起業・宝石研磨工房を設立し、女性の自立支援や子供の教育支援も展開しています。製造においては日本とイタリアの伝統的な宝飾技法を融合させ、職人の手によって一点一点丁寧に制作されています。素材面では、フェアマインド認証ゴールド・フェアマインド認証シルバーを使用し、鉱山労働者への公正な対価の支払いと安全な労働環境の確保を実現しています。
日本のエシカルジュエリーブランド比較表
各ブランドの特徴を比較しやすいよう、以下の表にまとめました。
| ブランド名 | 主な使用素材 | 特徴的な取り組み |
|---|---|---|
| HASUNA | エシカルゴールド | 自社スタッフによる産地確認、素材トレーサビリティ |
| ANNA DIAMOND | ラボグロウンダイヤモンド、ロスパール | 1購入につき1本の植林寄付 |
| GYPPHY | モアサナイト | フェアマインド認証ゴールド・シルバー使用 |
| PRMAL | ラボグロウンダイヤモンド | 甲府の職人技術との融合 |
| SHINCA | ラボグロウンダイヤモンド | 日本初のラボグロウンダイヤモンドブランド |
| DIAMOND DOT LAB | ラボグロウンダイヤモンド | ブライダルジュエリー専門 |
| SRIYE | ラボグロウンダイヤモンド | ラボグロウンダイヤモンド専門店 |
| mi luna | アップサイクル天然石・パール | 一点物の個性的なデザイン |
| cofl by 4℃ | ラボグロウンダイヤモンド、リサイクルメタル | 大手ブランドによるサステナブルライン |
| SEPLUMO | 環境配慮素材 | ファッション性とサステナビリティの両立 |
| EARTHRISE | オーガニックストーン®、フェアマインド認証素材 | 女性起業支援、日伊宝飾技法の融合 |
エシカルジュエリーの選び方 2026年版ガイド
エシカルジュエリーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、消費者が自分に合ったエシカルジュエリーを見つけるための基準を紹介します。
素材のトレーサビリティを確認する
エシカルジュエリーを選ぶ上で最も重要な要素の一つは、素材のトレーサビリティ(追跡可能性)です。使用する金や宝石がどこで採掘され、どのようなプロセスで加工されたかが透明に開示されているブランドを選ぶことが大切です。HASUNAのように自社スタッフが産地を直接確認しているブランドや、EARTHRISEのように素材調達から製造まで一貫したエシカルな価値観を持つブランドは、トレーサビリティの面で高い信頼性を持っています。
認証制度の有無をチェックする
フェアマインド認証やその他の国際的な認証を取得している素材を使用しているブランドは、一定の基準をクリアしていることが保証されています。認証ラベルの有無を確認することは、エシカルジュエリーを選ぶ際の重要な判断基準となります。GYPPHYやEARTHRISEのようにフェアマインド認証素材を採用しているブランドは、第三者機関による品質保証がある点で安心です。
使用素材の種類で選ぶ
天然ダイヤモンドに代わるラボグロウンダイヤモンドを選ぶか、モアサナイトを選ぶか、あるいはアップサイクル素材を選ぶかによって、エシカルジュエリーの選択肢は大きく変わります。ラボグロウンダイヤモンドは天然と同一の特性を持つため品質面での安心感があり、モアサナイトはコストを抑えながら美しい輝きを楽しめます。アップサイクル素材は一点物の個性を楽しめるという魅力があります。
ブランドの社会・環境への貢献度を評価する
売上の一部を環境保護活動や生産者コミュニティへの支援に充てるなど、購入が社会課題解決につながる仕組みを持つブランドも、エシカルな選択肢として高く評価できます。ANNA DIAMONDの植林寄付やEARTHRISEの女性自立支援など、ブランドごとに独自の社会貢献活動を展開しています。
エシカル・サステナブルジュエリーの世界市場規模と成長予測
エシカル・サステナブルジュエリーの市場は、世界的に見ても力強い成長を続けています。エシカルファッション市場全体は2025年時点で約86億3,000万米ドル規模と評価されており、2026年には約91億9,000万米ドルに成長すると予測されています。さらに年平均成長率(CAGR)約6.69%で拡大を続け、2032年には約135億9,000万米ドルに達する見込みです。
より広義のサステナブルファッション市場に目を向けると、2026年から2033年の予測期間においてCAGR約10.1%という高い成長率が見込まれています。2026年の約103億ドルから2033年には約198億ドル規模に拡大すると予測されており、市場の成長ポテンシャルは非常に大きいと言えます。
| 市場区分 | 2025年規模 | 2026年予測 | 将来予測 | CAGR |
|---|---|---|---|---|
| エシカルファッション市場 | 約86億3,000万ドル | 約91億9,000万ドル | 約135億9,000万ドル(2032年) | 約6.69% |
| サステナブルファッション市場 | — | 約103億ドル | 約198億ドル(2033年) | 約10.1% |
この市場成長の背景には、気候変動への危機感、SDGsへの社会的関心の高まり、そしてミレニアル世代・Z世代を中心とした倫理的消費意識の向上があります。2025年のジュエリートレンドレポートでもサステナブル・エシカルジュエリーが最も注目されるカテゴリーの一つとして挙げられました。再生可能な資源やリサイクル素材を用いたジュエリーが続々と市場に登場しており、エコフレンドリーなアプローチがジュエリー選びの新たな基準として定着しつつあります。
2026年の日本市場動向とエシカルジュエリーのトレンド
2026年現在、日本のエシカル・サステナブルジュエリー市場は着実に成長しています。特にラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドに比べて価格が大幅に抑えられることもあり、若い世代を中心に婚約指輪・結婚指輪の選択肢として急速に普及しています。
かつてはラボグロウンダイヤモンドに対して「本物ではない」というイメージを持つ消費者も多かったですが、環境・社会問題への意識の高まりとともに、その評価は大きく変わりました。2026年1月に東京ビッグサイトで開催された日本最大級のジュエリー展示会「第37回 国際宝飾展(IJT)」では、ラボグロウンダイヤモンドが最重要テーマの一つとして取り上げられており、業界全体でのサステナビリティへの関心の高さが示されました。
大手ジュエリーブランドがラボグロウンダイヤモンドや環境配慮素材を採用したラインを展開するケースも増えており、エシカルジュエリーはもはや一部の意識の高い消費者だけのものではなく、広く一般に受け入れられる段階に入っています。また、AIを活用したダイヤモンドの鑑定技術も進化しており、ラボグロウンダイヤモンドの品質管理や消費者向けの透明な情報提供においても技術革新が進んでいます。
婚約指輪・結婚指輪としてエシカルジュエリーを選ぶ意味
エシカルジュエリーが特に注目されているシーンの一つが、婚約指輪や結婚指輪の選択です。結婚という人生の大きな節目に身につけるジュエリーだからこそ、「誰かの犠牲や環境破壊の上に成り立ったものではないジュエリーを選びたい」という思いを持つカップルが増えています。
この考え方は「ギルトフリー(罪悪感のない)なジュエリー選び」とも表現されます。どんなに美しいジュエリーでも、その輝きの裏に労働搾取や環境破壊があることを知ってしまったら、着けるたびに複雑な気持ちになってしまうかもしれません。エシカルジュエリーは、そうした心理的な負担を取り除き、純粋に美しさと愛情を祝福する形で選べるジュエリーです。
特にミレニアル世代やZ世代と呼ばれる若い世代は、SDGsや社会問題への意識が高く、消費行動においても社会的な影響を重視する傾向があります。婚約指輪・結婚指輪という人生で最も意味のある購入において、エシカルな選択をすることは、二人の価値観を表現する自然な形でもあります。結婚情報サービスのWedding Parkが運営するRingraphでも、「見た目だけでなくルーツまで美しい」エシカルなブライダルジュエリーブランドが複数紹介されており、エシカルジュエリーが結婚指輪・婚約指輪の選択肢として定着しつつあることがわかります。
さらに、エシカルジュエリーは素材のトレーサビリティが高いことで、品質管理においても信頼性が高いという側面があります。産地が明確で採掘プロセスが透明な素材は品質の確認もしやすく、消費者にとって安心感のある選択肢です。
エシカルジュエリーがもたらす社会的価値と未来
エシカルジュエリーを選ぶことは、単に「環境に優しい」という選択にとどまりません。その消費行動が持つ意味と価値は多岐にわたります。
まず、鉱山労働者の生活改善への貢献があります。フェアマインド認証やフェアトレード素材を使用したジュエリーを購入することで、採掘現場の労働者に公正な対価が支払われ、生活の安定につながります。児童労働の撤廃や安全な労働環境の整備にも貢献することになります。
次に、環境保全への貢献です。採掘による土地破壊や水質汚染を最小化し、生態系を守ることは、気候変動への対策とも連動する重要な取り組みです。ラボグロウンダイヤモンドやリサイクル素材の選択は、直接的に採掘量の削減につながります。
さらに、持続可能な産業の発展を後押しするという側面もあります。エシカルジュエリーを選ぶ消費者が増えることで、エシカルな生産方式を採用するブランドや鉱山が評価され、業界全体のサステナビリティへの転換が加速されます。2026年のファッション業界の予測においても、ジュエリーは特に注目カテゴリーとして位置づけられており、エシカル・サステナブルな価値観を持つジュエリーブランドのさらなる成長が期待されています。
そして、大切な人への贈り物やメモリアルジュエリーとしての意味も変わってきます。大切な人への婚約指輪や記念のジュエリーが、誰かの犠牲や環境破壊によって作られたものではなく、人にも地球にも優しい形で生まれたものであるという事実は、そのジュエリーの持つ価値をさらに深いものにしています。
エシカルジュエリーについてよくある疑問
エシカルジュエリーに興味を持つ方の中には、さまざまな疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。ここでは、よく聞かれる疑問について解説します。
ラボグロウンダイヤモンドは「本物」なのかという疑問を持つ方は少なくありません。結論として、ラボグロウンダイヤモンドは化学的・物理的・光学的な特性がすべて天然ダイヤモンドと同一であり、専門家でも外観からは区別できません。製造方法が異なるだけで、素材としてはまぎれもない「本物のダイヤモンド」です。
エシカルジュエリーは価格が高いのではないかという点も気になるところです。実際には、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドに比べて価格が大幅に抑えられる傾向にあります。また、モアサナイトはさらにコストパフォーマンスに優れた選択肢です。ブランドや素材によって価格帯は幅広く、予算に合わせたエシカルな選択が可能です。
デザインの選択肢が限られるのではないかという心配も不要です。2026年現在、日本のエシカルジュエリーブランドはHASUNAの季節ごとのコレクションをはじめ、多彩なデザインを展開しています。シンプルなものからトレンドを取り入れたものまで、幅広いスタイルの中から選ぶことができます。
まとめ:2026年のエシカルジュエリーは日本の新しいスタンダードへ
エシカルジュエリーとサステナブルジュエリーは、美しいジュエリーを楽しみながら地球と社会への責任を果たすことができる、現代の消費スタイルの一つです。HASUNAをはじめとする日本のエシカルジュエリーブランドは、素材の産地透明性、フェアトレード認証、ラボグロウンダイヤモンドの活用など、それぞれ独自のアプローチでエシカルな生産を実現しています。
2026年現在、日本でのエシカルジュエリー市場は確実に成長しており、選択肢も年々豊富になっています。ジュエリーを選ぶ際には、デザインや価格だけでなく、その背景にある生産プロセスや社会・環境への影響にも目を向けることが、これからの時代の賢い消費者としての姿勢と言えるでしょう。あなたの次のジュエリー選びが、地球と社会への小さな、しかし確かな一歩となることを願っています。









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