株式会社yutoriの子会社YZが手がける新ブランド「twins(ツインズ)」は、「双子のような友情」をコンセプトに掲げたガールズストリートブランドです。2026年1月2日から1月7日まで、SHIBUYA109渋谷店1階にてPOPUPストアを開催しており、全16型のデビューコレクションを先行販売しています。ミューズにはイラストレーターやYouTuberとして活躍するhannahを起用し、幼少期のおもちゃや制服、放課後のストリートファッションからインスピレーションを得た独自の世界観を展開しています。この記事では、twinsのブランドコンセプトからPOPUPの詳細情報、展開アイテム、そしてオンライン販売スケジュールまで、新ブランドの全貌をお伝えします。

twinsとは?yutori発の新ブランドが提案する「双子のような友情」
twinsは、株式会社yutoriの戦略子会社である株式会社YZが2026年に立ち上げた新ブランドです。ブランド名の「twins」には、生物学的な双子という意味だけでなく、精神的な結びつきや共感を共有する親友関係というメタファーが込められています。
ブランドコンセプト「双子のような友情」の意味
twinsのコアコンセプトである「双子のような友情(Friendship like twins)」は、日本の若者文化に根付く「ニコイチ(2個で1つ)」という概念を現代的に解釈したものです。1990年代のプリクラ全盛期から、親友と二人一組で行動し、同じような格好をする文化は日本の若者の間で親しまれてきました。SNS時代においては、この文化は「シミラールック」や「リンクコーデ」として進化し、TikTokやInstagramのリール動画で「二人で踊る」「二人で映る」コンテンツとして爆発的に普及しています。twinsは、この「ペアで完結する世界観」をブランドの根幹に据えることで、ユーザーのSNS投稿欲求を直接的に刺激する設計となっています。
「似ているけれど、同じじゃない」というデザイン哲学
twinsが従来のペアルックブランドと一線を画すポイントは、「似ているけれど、同じじゃない(Similar but not the same)」というデザイン哲学にあります。かつての「双子コーデ」は、頭から爪先まで全く同じアイテムを着用することが主流でした。しかし、個性を重視するZ世代にとって、完全な没個性化は避けたい傾向があります。twinsのアイテムは、色違いであったり、同じ素材で異なるシルエットであったりと、意図的な「ズレ」が設計されています。これにより、着用者は「自分らしさ」を保ちつつ、隣にいる親友との「一体感」を楽しむことができます。多様性を認め合いながらも緩やかにつながりたいという、現代の若者の人間関係を反映したアプローチといえます。
インスピレーションの源泉はノスタルジーと日常
twinsのクリエイティブは、ターゲット層が共有する「原風景」からインスピレーションを得ています。幼少期に夢中になったおもちゃのような、ポップでキッチュな色使いやモチーフが特徴です。また、毎日のように着ていた制服が持つ「規律」と、それを着崩す「反抗」のバランス、そして学校という社会から解放され、本当の自分に戻る瞬間の放課後ファッションがデザインに反映されています。「制服」と「放課後」というキーワードは青春時代の象徴であり、ターゲット層である10代から20代前半にとっては現在進行形の日常、あるいは少し前の懐かしい記憶として、強力なエモーショナル・フックとなります。制服のスカートにパーカーを合わせたり、お揃いのキーホルダーをスクールバッグに付けたりした記憶を、現代的なストリートウェアとして再構築している点がtwinsのユニークさです。
運営企業yutoriとYZの戦略的位置付け
twinsを深く理解するためには、その母体である株式会社yutoriと、実際に運営を担う株式会社YZの企業構造を把握することが重要です。
株式会社yutoriの成長軌道
2018年に創業された株式会社yutoriは、「古着女子」というInstagram上のメディアコミュニティからスタートした異色の経歴を持つアパレル企業です。代表取締役社長の片石貴展氏は、創業当初から「臆病な秀才の最初のきっかけを創る」というミッションを掲げ、才能はあるが自己表現に躊躇する若者たちに、ファッションを通じた「武装」と「所属」の場を提供してきました。yutoriの成長モデルは、徹底したSNSマーケティングとコミュニティ形成にあります。「9090(ナインティナインティ)」、「HTH(エイチティーエイチ)」、「Younger Song(ヤンガーソング)」といったヒットブランドを次々と生み出し、デジタルネイティブ世代の熱狂的な支持を獲得しました。2023年には東証グロース市場への上場を果たし、アパレル不況が叫ばれる中で驚異的な成長率を維持しています。
株式会社YZへの分社化と事業継承
2025年、yutoriは更なる成長と経営の機動性向上を目指し、大規模な組織再編を実施しました。その核となる動きが、主力事業の一つである「ヤングカルチャー事業」の新設子会社「株式会社YZ(ワイジー)」への継承です。株式会社YZは、yutoriグループの中で最もトレンドの変化が激しい「ヤングカルチャー」領域を一手に担う戦略的子会社として位置付けられています。代表取締役社長には、かつて「9090」のディレクター兼MDを務め、現場の感覚と経営視点を併せ持つ舩橋誠氏が就任しました。管轄ブランドには、yutoriの屋台骨である「9090」や「HTH」に加え、今回の新ブランド「twins」も含まれます。この分社化により、YZは親会社yutoriの全体戦略から独立した意思決定権を持ち、ストリートの「今」の空気を即座にプロダクトやイベントに反映させる体制を整えました。twinsは、この新体制下でローンチされる象徴的なプロジェクトであり、YZのクリエイティブ能力と実行力を市場に示す試金石となっています。
YZが掲げる「ヤングカルチャー」の再定義
YZが掲げる「ヤングカルチャー」とは、単なる年齢的な若さだけを指すものではありません。それは、既存の権威やルールに縛られず、自分の好きなものを純粋に追求する精神性を意味します。twinsが提示する「ガールズ×ストリート」というミックススタイルは、まさにこの精神性を体現しており、YZが今後目指す多様な価値観の受容を象徴しています。
SHIBUYA109 POPUPの開催詳細と戦略的意図
twinsのデビュー戦となるSHIBUYA109でのPOPUPストアは、単なる販売の場ではなく、ブランドの世界観を物理的に体感させる場として機能しています。
開催概要
twinsのPOPUPストアは、2026年1月2日から1月7日までの6日間、SHIBUYA109渋谷店1階にて開催されています。営業時間は10時から21時までです。
「1月2日」という開催日の戦略的意味
開催初日である1月2日は、日本の小売業界において年間で最も重要な「初売り」の開始日です。SHIBUYA109には、福袋やセールを目当てに早朝から数千人の行列ができることが通例であり、その熱気は尋常ではありません。このタイミングでPOPUPを開催することには、複数のメリットがあります。普段SHIBUYA109を訪れない層も含め、膨大な数の若者が来館するため、認知拡大のスピードが最大化されます。また、「お年玉」や「冬のボーナス」を背景に財布の紐が緩んでいる時期であり、高単価なセットアップやアウターの購入が期待できます。さらに、新ブランドのローンチ自体を初売りという祝祭的なイベントの一部として位置付けることで、ポジティブな印象を刷り込むことができます。
「1階」というロケーションの重要性
SHIBUYA109の1階は、エントランスに直結した最も視認性の高いエリアです。ここは通常、その時々で最も勢いのあるブランドや、大規模なプロモーションを行うコンテンツが使用する「特等席」となっています。デジタル発のブランドであるyutoriグループがこの場所を確保できたことは、デベロッパーであるSHIBUYA109エンタテイメントからの高い期待と信頼の証といえます。デジタルでファンを醸成し、リアルの一等地で爆発させるというyutoriの「勝ちパターン」が、ここでも踏襲されています。
限定施策とノベルティ戦略
POPUPイベントの集客エンジンとなるのが、会場限定のアイテムやノベルティです。オンラインストアでの販売に先駆け、すべてのアイテムを手に取って確認できる「先行販売」の場となっています。また、POPUPでしか手に入らない限定カラーのアイテムが用意されている可能性があります。yutoriグループの過去の事例では、一定金額以上の購入者に対し、ブランドロゴ入りのアイテムなど非売品グッズをプレゼントしています。今回も、twinsの世界観を凝縮した特別なノベルティが用意され、ファンの所有欲を刺激することが予想されます。
ミューズ「hannah」の起用とクリエイター・インフルエンス
twinsの顔となるメインビジュアルモデルには、クリエイターの「hannah(ハンナ)」が起用されました。彼女の起用は、従来の「ファッションモデル」の枠を超えた戦略的な意図を含んでいます。
hannahのプロフィールと多面性
hannahは2005年生まれ、東京都出身です。ローンチ時点で20歳から21歳という、ターゲット層と完全に同世代のアイコンです。彼女は単なるモデルではなく、「イラストレーター」として独自のアートスタイルを持ち、「YouTuber」として日常を発信し、「ポッドキャストホスト」として声を届けるマルチクリエイターです。活動範囲は日本国内にとどまらず、中国や韓国などのアジア圏でも活動しており、グローバルな感性を持っています。
クリエイターとしての影響力
hannahの最大の魅力は、そのクリエイティビティにあります。彼女の描くイラストは、カラフルでポップ、そして少しシュールな世界観を持っており、Z世代のデジタルカルチャーと親和性が高いです。twinsのアイテムであるTシャツのグラフィックやスケートボードデッキのデザインなどに、彼女のアートワークが採用されている可能性が高いと考えられます。YouTubeでは登録者数14万人超を誇り、飾らない等身大のVlogや内省的な独白動画を投稿しています。ファンは彼女の容姿だけでなく、その感性や悩み、生き方に共感を抱いています。この「深い共感」こそが、ブランドへのロイヤリティに直結します。
ブランドとのシナジー効果
hannahを起用することで、twinsは複数のシナジーを得ることができます。hannah自身の言葉やイラストを通じてブランドのコンセプトを語ることで、商業的な広告臭を消し、ファンへのメッセージとして届けることができます。また、hannahのイラストを真似て描いたり、彼女と同じポーズで写真を撮ったりする「ファンアート」的な活動が誘発され、SNS上での拡散が加速します。イラストレーターでありモデルでもある彼女は、「ガールズカルチャー」と「アート/ストリート」の融合を体現する存在であり、ブランドのコンセプトそのものを表現しています。
twinsのデビューコレクションと展開アイテム
twinsが展開するアイテムは、コンセプトを具現化するための具体的な「装置」です。第1弾コレクションでは全16型のアイテムが展開されています。
ジャケットとスカートのセットアップ
ブランドの象徴的アイテムとなるのが、ジャケットとスカートのセットアップです。これは「制服」の再解釈であり、フォーマルなジャケットをストリート風に着崩すスタイルを提案しています。チェック柄やスウェット素材など、バリエーションによって「優等生」にも「バッドガール」にもなれる二面性を持っています。入学式や卒業式などのイベント需要ではなく、日常のファッションとしての「なんちゃって制服」の延長線上にある、より洗練されたセットアップ需要を狙っています。
ジップフーディー
yutori系ブランドの代名詞ともいえるのが、ストリートファッションの王道アイテムであるジップフーディーです。オーバーサイズシルエットで、リラックス感と「彼氏の服を借りたような」華奢さを演出します。背面にはhannahのイラストやブランドロゴが大きくプリントされたデザインが予想されます。「放課後の着替え」というコンセプト通り、制服の上から羽織るだけでストリートスタイルに変身できるアイテムとして機能します。
スケートボードデッキ
アパレルブランドがハードギアであるデッキを展開することは、本格的なストリートカルチャーへのリスペクトを示すと同時に、デッキ自体を「部屋に飾るアート」として提案する側面が強いです。これはシュプリームなどが確立した手法であり、twinsが単なる可愛いだけのブランドではないというエッジを示す重要なアイテムです。
バッグとアクセサリー
キャップ、ビーニー、ネックレス、ソックス、スクールバッグ風のショルダーバッグなど、アクセサリー類も充実しています。これらは比較的安価で手に入りやすく、友人とお揃いで購入する「エントリーアイテム」として機能します。
twinsの価格帯と市場でのポジショニング
twinsの価格帯は、yutoriグループの既存ブランドや市場の競合ブランドの価格帯を踏まえると、「中価格帯(Masstige)」に設定されていると推測されます。
想定される価格レンジ
トップス(Tシャツやロングスリーブ)は5,000円から8,000円程度、スウェットやフーディーは約8,000円から12,000円から16,000円程度と想定されます。ボトムス(スカートやパンツ)は8,000円から13,000円程度、セットアップは15,000円から25,000円程度の価格帯が予想されます。アクセサリー類は2,000円から5,000円程度で手に入ると考えられます。
価格設定の戦略的意図
この価格帯は、ファストファッションよりは明確に高いですが、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドよりは手が届きやすい設定です。10代から20代が「バイト代を貯めて買う」「誕生日にねだる」あるいは「本当に欲しいものとして投資する」レンジであり、ブランドの価値を維持しつつ、ターゲット層の購買力に見合った絶妙な価格設定となっています。
オンライン販売スケジュールと販売戦略
twinsの販売スケジュールには、意図的な「タイムラグ」が設けられています。
先行販売と一般販売の時間差
SHIBUYA109でのPOPUP先行販売は2026年1月2日から1月7日まで行われています。その後、オンラインでの一般販売は2026年1月16日21時から開始される予定です。オンライン販売がPOPUP終了から約9日後に設定されている点が戦略的に重要です。
タイムラグがもたらす心理的効果
この時間差により、複数の心理的効果が生まれます。「今は渋谷に行かないと買えない」という状況が、POPUPへの集客を加速させる希少性の創出につながります。また、POPUPで購入した先行ユーザーがInstagramやTikTokに商品を投稿し、それを見た地方のユーザーや行けなかったユーザーの期待感が最高潮に達したタイミングで、オンライン販売が開始されます。この「じらし」の期間が、オンライン初動の爆発的な売上を作るための助走期間となります。
オンライン販売の販売場所
オンラインでの販売は、YZ STOREにて行われる予定です。2026年1月16日のオンライン販売開始以降、即完売やリセール市場での価格高騰なども予想されています。
twinsのターゲット層とペルソナ分析
twinsの主要なターゲットは、「ガールズカルチャー」と「ストリートファッション」の境界線上にいる層です。
ターゲットの属性と嗜好
属性としては、10代後半から20代前半の女性を中心としていますが、ジェンダーレスなアイテム展開により男性層の取り込みも視野に入れている可能性があります。嗜好としては、従来の「ガーリー」だけでは甘すぎるし、ハードな「ストリート」だけでは男臭すぎると感じる層がターゲットです。「生意気さ」や「毒っ気」を含んだ可愛さを好む傾向があります。
行動特性
ターゲット層は、SNSでの発信を日常的に行い、消費行動自体をコンテンツ化する傾向があります。友人と「オタ活」や「カフェ巡り」をする際の「勝負服」としてブランドを選定します。twinsの「ペアで完結する世界観」は、こうした行動特性と非常に相性が良い設計となっています。
2026年のファッション市場環境とtwinsの優位性
2026年のファッション市場は、インバウンド需要の回復と、国内Z世代の消費意欲の二極化が進んでいます。
海外ブランドの流入と国内ブランドの対抗
韓国発のブランドが日本市場で勢力を拡大しており、yutori自身もこれらのブランドの日本展開を手掛けることでポートフォリオを強化しています。twinsは、こうした海外ブランドの流入に対抗するドメスティック(国内発)ブランドとしての役割も期待されています。日本の「カワイイ(Kawaii)」文化と「ストリート(Street)」文化の融合は、海外ブランドにはない独自の強みとなり得ます。
yutoriグループのエコシステム
twinsの成功を支える要因として、yutoriグループが持つエコシステムがあります。企画、製造、物流、販売まで、過去の成功事例に基づいた鉄壁のバックアップ体制が整っています。デジタルネイティブ世代の熱狂的な支持を獲得してきた実績と、SNSマーケティングのノウハウがtwinsにも活かされています。
twinsが示唆するファッション業界の未来
twinsのローンチは、株式会社yutoriおよびYZが2026年に仕掛ける最初にして最大級の戦略的プロジェクトです。
ブランドの成功要因
twinsの成功要因として、「双子のような友情」という普遍的でありながら現代的な共感を呼ぶテーマ設定があります。また、SHIBUYA109の初売りという日本で最も若者が集まる時空間の占有、hannahという強力なストーリーテラーを巻き込んだコンテンツ重視のマーケティング、そしてyutoriのエコシステムによる鉄壁のバックアップ体制が挙げられます。
市場への影響と今後の展望
twinsの登場は、日本のガールズファッションとストリートファッションの境界線をさらに曖昧にし、融合を加速させることが予想されます。また、個性を消すペアコーデから、個性を引き立て合うシミラーコーデへの移行を決定づけるブランドとなる可能性があります。ファッション業界関係者のみならず、マーケターやクリエイターにとっても、twinsの動向はZ世代やα世代の心を掴むための最新のケーススタディとして注視すべき対象です。yutoriグループは、このtwinsを皮切りに、2026年も攻撃的なブランド展開を続けることが予想されます。その第一歩となるSHIBUYA109でのPOPUPは、新たな「カワイイ」の基準が生まれる瞬間となっています。









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